writer 齋藤萌
「心地いいおしゃれの見つけ方」をテーマに、自分らしい着こなしやおしゃれのルールを持っている人たちをご紹介しています。
第7回目は、書籍のデザインなどを手がけている、グラフィックデザイナーの葉田いづみさんです。
古着や個性的な柄のスカーフを取り入れつつも、品よく洗練された空気を感じられる葉田さんのコーディネート。今回はその絶妙な着こなしの秘密にせまります。
ベルトを使って、バランスのいい着こなしに
葉田さんらしいきちんとした雰囲気の装いを作っている要素のひとつが、ベルトを使ったウエストマークです。
さらにウエストにポイントを作ることで、コーディネートをバランスよく見せているのだとか。
「私は背があまり高くないので、ともするとメリハリのないコーディネートになりがちなんです。なのでサイズ感や丈、腰の位置など、着こなしのバランスを大切に考えています。そんな自分らしいバランスのひとつが、ウエストを高めにすること。さらにベルトでウエストマークすることで、装いにポイントを作っています」
「すとんとしたワンピースも、細身のベルトでアクセントを加えることが多いですね。ベルトを巻くだけでコーディネートにリズムが出て、よりおしゃれを楽しめると思っています」
唯一無二のデザインがお気に入りの、柄ものたち
「普段は白シャツやジャケット、デニムなど、スタンダードなアイテムを選ぶことが多いです。けれどそれだけだとマンネリに感じてしまうことがありました。そこで手に取ったのが、ユニークな柄をした洋服や、古着です。
柄や生地が変わったものでも、定番のニットやシャツと重ねればやりすぎた感じにならず、ワンポイントとして楽しめると思っています」
「例えばnuno.(ヌーノ)のレトロな柄のベストは、黒のタートルや白いブラウスと合わせたり、オンラインショップで購入した古着のシフォンブラウスは上からニットを重ねたりして着ています」
個性あふれるスカーフで、アクセントをプラス
▲スカーフはwitchi tai toのもの
「上品な華やかさを加えられるスカーフも、お気に入りのアイテムです。夏以外、季節を問わず使っています。
ゴルフをしている人のイラストが描かれたものは、母から譲り受けたものです。面白い柄ですが、モノトーンなため洋服を選ばず、使いやすいんです。
そのほか、私の友人である松元絵里子(写真家)やよしいちひろ(イラストレーター)、そして高原たま(編集者・ネムリコーヒー)と一緒にやっているディレクションユニット・witchi tai toでもスカーフの制作をしています。縁を手かがりで仕上げるなどこだわりが詰まったスカーフで、普段も愛用しています」
ラクするよりも、少し緊張感があるほうが心地いい
品を感じさせるきれいな着こなしに、古着やスカーフで遊び心を加えている葉田さんのコーディネート。その装いが生まれた理由は、葉田さんのこんな考え方にあるようです。
「私にとっての心地いいおしゃれとは、少しきちんとした雰囲気がある服装です。無理はしたくないけれど、背筋が伸びるくらいのほうが暮らしに張りが出ていいなと思っています。
例えばボトムスを選ぶ時はぴったりめのサイズを選びますし、トップスもインして着ることが多いですね。ウエストマークのベルトも、おしゃれだけではなく体型を維持しようという思いに繋がり、気持ちにもメリハリが生まれると思っています。
でもそれだけだと、どうもきれいにまとまり過ぎて、自分らしさが足りないような気がしてしまうんです。そこで、古着やスカーフなどで色や柄を取り入れて、アクセントにするようになりました。ベーシックなスタイルに遊び心を加えて、よりおしゃれを楽しめたらいいなと思っています」
撮影・取材・文/齋藤萌
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- プロフィール
デザイン事務所勤務を経て、2005 年に独立。主に書籍のデザインを手がける。松元絵里子(写真家)、よしいちひろ(イラストレーター)、高原たま(編集者・ネムリコーヒー)と立ち上げたディレクションユニット「witchi tai to」では作品集やスカーフなどを制作。Instagram:@ izumi_nsmt