writer 齋藤萌
「心地いいおしゃれの見つけ方」をテーマに、自分らしい着こなしやおしゃれのルールを持っている人たちをご紹介しています。
第8回目は、イラストレーターや手工芸作家として活動している堀川波さんです。
▲堀川さんのオリジナルブランド「kiki to kiki」の洋服
アクセサリーから洋服、そしてバッグに至るまで、自分で制作をしている堀川さん。
「年代も好みも自分と同じ方がお客さま。だから自分の好きなものを作っています」と語る堀川さんが作るものは、どれもこれもすぐに完売してしまうほどの人気ぶりです。
そんな堀川さんのお話を聞いていると、好きなものに対して正直であるのはもちろんのこと、「今の自分に何が似合うのか」を大切にしている様子がうかがえます。
そこで今回は、年齢や暮らし方にフィットすること、そして譲れない自分の好み、それらをどれも諦めず作品に落とし込んでいる堀川さんのこだわりについて聞きました。
体のラインを拾わない、自分に合った服
「今着ているワンピースとベストは、itonowa Life(イトノワライフ)の渋谷有美さんと立ち上げたブランド『kiki to kiki(キキトキキ)』のものです。キルティング刺繍を施したベストなど、私が大好きな手仕事の要素を取り入れつつ、お腹や二の腕など、年齢を重ねて気になってきた部分を上手にカバーしてくれる洋服を作っています。
そのほかにも気になるのが首周り。開きすぎているとだらけた印象に見えてしまうし、かといってタートルで全て隠してしまうと、今度は顔に視線が行きすぎる。そんな悩みを解決できるように、首元の開き具合も調節しました。
素材はリネンなど、少し艶がある方が上品に見え、今の年齢に合っていると感じています」
使いやすいブラックに、個性が光るバッグたち
「バッグも手作りのものをよく使っています。蓋に刺繍を施したカゴバックや、ポンポンがついたトートバッグは『dot to dot』のものです。
そのほかエバゴスのバッグがずっとお気に入りです。革と籐、そしてファーなどの異素材の組み合わせが絶妙だと感じています。
バッグの色は使いやすいブラックばかり。デザインはコーディネートのアクセントになるような少し個性的なものを選ぶようにしています」
▲左:dot to dot、右:エバゴスどれだけ歩いても疲れない、自分に合った靴
▲左:グラウンズ、中央:トリッペン、右:ダンスコ
「靴も同じく色は使いやすいブラックやグレーが多いですね。そしてソールがウッドだとカゴや籐のアクセサリーとコーディネートがしやすいと感じています。さらに私は背があまり大きくないため、ヒールがあるものを選ぶようにしているんです。
靴は歩きやすさも重要。私は足の親指の形が特徴的なので、ものによってはフィットせず、履くことができません。そんな私でも履きやすかったのがダンスコやビルケンシュトック、トリッペンのサンダルに、グラウンズのスニーカー。
ワークショップなどの最中はずっと立ちっぱなしですが、そんな時でも足が疲れない、頼もしい靴たちです」
見た目も使い心地も、一体自分に何が似合うのか見極めてもの選びをしている堀川さん。自分のことをよく知り、変化も上手に受け入れているからこそ、無理せず心地のよいおしゃれを楽しめるのかもしれません。
撮影・取材・文/齋藤萌
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- プロフィール
堀川波(ほりかわなみ)
イラストレーター・手工芸作家
大人のおしゃれや暮らしにまつわるイラストエッセイが人気を集める。『48歳からの毎日を楽しくするおしゃれ』(エクスナレッジ)、『籐で作るアクセサリーと小物』(誠文堂新光社)など30冊以上の著書を上梓。手仕事のワークショップも定期的に開催。Instagram:@horikawa._.nami